第17章 姫巫女とドラゴン
間も無くして、四本の箒が夜の闇の中から舞い降りてきた。
チャーリーの友人たちは気さくな雰囲気でシオンたちに話しかけてきて、三人も手伝いながら、ノーバートの入った木箱を四人が持ってきた、ドラゴンを運搬する道具にしっかりとくくりつけた。
最後はシオンたちに握手を求め、お礼まで言われる。
チャーリーの友人たちと、連れられていくノーバートを見送ると、途端に疲労と同時に達成感が身体を襲う。
身も心も軽くなり、三人はスキップでもするような軽い足取りで螺旋階段を駆け下りた。
「やったね! ノーバートを引き渡して、マルフォイが罰則を受けて、こんな嬉しいことがあるかい?」
はしゃぐハリーに、シオンとハーマイオニーは何度も頷いた。
そんな三人に水をさすように、螺旋階段を降りた先で、ヌッと人影が現れる。
「さて、さて、さて。これは困ったことになりましたねぇ」
囁くように言うフィルチの、意地の悪い笑顔に、三人は顔を青ざめさせた。
シオンたちは透明マントを、塔の天辺に忘れてきてしまっていたのだ。