第16章 姫巫女と真相への一歩
「どうしたの⁉︎ 四人とも!」
クリスマス休暇から帰ってきた四人に「おかえり」と言うことも忘れ、シオンたちは駆け寄った。
「シオン! ちょうど良かった! 今、あなたを探しに行こうとしてたの!」
焦ったように早口で言うマリアは、いつもの凛とした表情ではなく、どこか頼りなさそうな、泣きそうな表情をしていた。
「シオン、あなたなら、呪いを解くのとか得意でしょ? お願い、ネビルを助けて!」
言われてよく見れば、ネビルの両足がピッタリとくっついている。
「どうしたんだよ、ネビル」
「足がくっついてる!」
談話室にいたグリフィンドール生が、何の騒ぎかとやって来ると、ネビルの足を見て大笑いをしだした。
「笑いごとじゃないわよ!」
追い払うようにして腕を振るマリアを、シャーロットが落ち着かせる。
そこへ、シェーマスとの話が終わったのか、ヒマワリがやって来た。
「ちょっと、何の騒ぎですの? ネビル、あなた、その足はどうしましたの?」
聞いても答えないネビルに、ヒマワリが困惑した表情でシオンを見るが、シオンも事情が分からないと首を振る。
「シェリル、何があったの?」
「帰ってきてそうそう、マルフォイに出くわして……覚えたての『足縛りの呪い』を試したいって言って、ネビルに呪いを掛けたの」
ハリーの問いに、シェリルは淡々とした口調で答える。
しかし、その眉は不愉快そうに寄せられていた。
「マルフォイのやりそうなことだよ!」
吐き捨てるようにロンが悪態を吐く。
「……本当は、私に向けられたものだったのよ。それを、ネビルが庇って……」
グッと悔しそうに唇を噛むマリアに、シオンの胸が痛んだ。