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ハリー・ポッターと龍宮の姫巫女

第16章 姫巫女と真相への一歩


「どうかしてるわ! 三日も夜中に寮を抜け出すなんて! それに、私もシオンもちゃんとニコラス・フラメルについて調べてたのに、あなたたちは遊んでいたのね! 『透明マント』なんてものを持っていながら!」

 現在、談話室にはグリフィンドール生がまばらにいる程度。
 マリアやシャーロット、シェリルはまだ帰省しておらず、ヒマワリは寮に戻ってきたシェーマスに捕まっている。
 明日は新学期だから、マリアたちももうすぐ帰って来るだろう。

 ハーマイオニーが怒っているのは、三日も立て続けにベッドを抜け出したことだけではなく、ハリーに贈られた『透明マント』のことだ。

 クリスマスプレゼントとしてハリーに届いたもので、送り主は不明とのこと。
『透明マント』は、身に纏えばたちどころに姿を隠すことができる魔法の道具で、これさえあればどこでも出入りは自由だ。

 バツが悪くなったのか、ハリーとロンは「ごめん」と一言謝罪をして、話題を逸らした。

「と、ところでさ……君のことだから、シオンから『フラメル』についての手紙をもらって調べたんだろう?」

「そうそう。誰だったんだい? ニコラス・フラメルって」

 あからさまな話題転換だったが、彼女は手柄を誇示するように「ちょっと待って」と言うと、もの凄い勢いで女子寮への階段を上がり、瞬く間に戻って来る。

「シオンの手紙を読んで思い出したの。ちょっと軽い読書をしようと思って、随分前に図書館から借り出していた本よ」

「か、軽い読み物なんだ、これ……」

 シオンの言葉は、ハリーやロンの心を代弁したものだったが、ハーマイオニーには届かなかったらしい。
 ブツブツと何かを口にしながら目にも止まらぬ速さでページを捲っていった彼女は、とあるページでそれを止めた。

「あったわ、これよ!」

 本を覗き込む三人に聞かせるように、ハーマイオニーは文章を読み上げる。
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