第16章 姫巫女と真相への一歩
新学期が始まる三日前に、シオンはヒマワリと共にホグワーツへ戻ってきた。
年末年始は分家が挨拶をしに邸へやって来ていたが、その度にヒマワリは誹謗中傷の的となり、本当に申し訳なかった。
部屋にいたらどうかとも提案したが、彼女は「シオンさまと一緒にいたい」と言って譲らなかった。
本当はギリギリまで邸にいるつもりだったが、シオンがいるからか、分家の出入りが思ったよりも激しく、少し早めにホグワーツへ戻ることにしたのだ。
グリフィンドール寮へ帰ってきた二人を、ロンが「お帰り!」と出迎えてくれた。
「ただいま、ロン」
「あら? ハリーはどうしましたの?」
ヒマワリの問いに、ロンは気まずそうに目をそらす。
「『みぞの鏡』を見つけてから、少しおかしくなっちゃったんだ」
「「『みぞの鏡』?」」
彼が言うには、ハリーはクリスマス休暇が始まってすぐ、真夜中にベッドを抜け出し、『みぞの鏡』というものを見に行っていたらしい。それも、三晩続けてだ。
しかし、三日目の晩を終えた翌日に、ダンブルドアが鏡を別の場所に移したらしい。
鏡を探してはいけない、とハリーに告げて。
「でも、フィルチ先生に見つからなくてよかったですわね。見つかっていたら、酷い目に遭わされていたかもしれませんわ。ハーマイオニーが知ったら、きっとどやされていたところね」
やがて、その二日後――新学期の前日に帰って来たハーマイオニーに、ハリーとロンはヒマワリの宣言通り怒られていた。