第13章 姫巫女とクィディッチ
クィディッチの試合が終わった後、ハリーと合流したロンとハーマイオニーに連れられて、シオンはハグリッドの小屋に来ていた。
寂しそうに目を伏せるヒマワリには悪いと思ったが、『例の話』だと耳打ちされて断ることはできない。
ヒマワリはマリアたちに任せて、シオンは三人について行くことにしたのだ。
ハグリッドの小屋で出された紅茶は恐ろしいまでに濃く、四人は揃って苦い表情をする。
やがて、ロンがハリーの箒の件について、事の顛末を語った。
「ハリーの箒がおかしかったのは、スネイプが原因だったんだ。ハーマイオニーもシオンも、僕だって見た」
「バカな。何で、スネイプがそんなことをする必要があるんだ?」
「そ、そうだよね……」
シオンがハグリッドに同意を示したのは、自分に言い聞かせるためでもあった。
どうにも彼は、自分のすぐ傍で行われていた三人のやりとりを聞いていなかったようだ。
それはハグリッドだけでなく、シェリルやシャーロットも同じ。
全員がハリーの箒を心配して、他に気を回している余裕がなかったのだ。
……とはいえ、セブルス・スネイプとハリーの箒が暴走した件は、切り離して考えることはできない。
スネイプが呪いを掛けていた……それが事実かどうかは別として。
彼を怪しむ三人の気持ちも分からなくはない。
ハロウィーンでのトロールの一件もある。
他の教師たちが地下室へ向かう中で、彼だけが禁じられた四階の廊下へと向かっていた。
あの日の一件と今回のハリーの箒の件。
この二つがどう繋がっているのかは分からないが、少なくとも、どちらもスネイプが関わっていることは間違いないだろう。