第13章 姫巫女とクィディッチ
「ちょいと詰めてくれや」
聞き覚えのある声に振り返れば、ハグリッドが席を詰めてくれと声を掛けてきた。
「ハグリッド! ハグリッドも試合を観に来たの?」
「おぅ。俺も小屋から見ておったんだが……」
ヒマワリの方へ席を詰めれば、ロンとハーマイオニーもそれに合わせて、ハグリッドが座れるスペースを広く空ける。
「ハグリッドさん……ということは、ハリーくんのお友達ですね! 初めまして。やっと会えて嬉しいです」
花が開くようなシャーロットの笑みに、ハグリッドも頬を緩めた。
「ハリーの友達……森のクマさん?」
「入学式のときに、あたくしたちをホグワーツまで案内してくれた方ですわね。入学式の席でも見かけましたわ」
「怖くない……私は高いところなんて……!」
一通り自己紹介を終えると、ハグリッドはグラウンドの上空で繰り広げられる試合を観て感嘆の声を上げる。
「あぁ……やっぱり、観客の中で見るのとはまた違うなぁ。スニッチはまだ現れんか、え?」
ハグリッドの問いかけに、ロンが首を振って答えた。
「まだだよ。今のところ、ハリーはあんまりすることがないみたいだ」
ロンの言葉に、ハグリッドがハリーを探す。
シェリルが指し示すと、選手たちとは外れた場所で、ハリーは手を叩きながらグリフィンドールの得点を喜んでいた。