第11章 姫巫女とハロウィーン
「……厳重に警備されていたってことは、それだけ大切なものだったのかな?」
「逆に、すごく危険なものかもな」
「もしかしたら、両方ってこともあるよね」
謎の包みは、長さ五センチ程度の大きさであることしか分からず、それ以上の推測はできない。
「この話って、わたしとロン以外に知ってる人っているの?」
「一応、ネビルとハーマイオニーには声を掛けようと思ったんだけど、二人とも興味ないみたいだから、話してないよ」
二人ともそれぞれ理由は違うが、二度と三つ頭の化け犬には近づきたくないようだ。
おそらく、ネビルは怖い目に遭ったからで、ハーマイオニーは寮の点数を気にしてのことだろう。
そうやってシオンたちが話すのを、ヒマワリはジッと見つめていたが、三人は話に夢中で気づかなかった。
* * *
――それから一週間後。
シオンはハリーとロン、そして同室の四人といつも通りに朝食を摂っていた。
フクロウが群れをなして、大広間へと飛んで来るのも、毎朝恒例のこと。
そのフクロウたちの隙間を縫うように、シオンのもとへも紙鳥がやって来る。
シオンが書いた近況を知らせる手紙に対する、父からの返事だ。
そんな中で、六羽の大きなコノハズクが、大きな包みを持ってハリーの前に舞い降りた。
戸惑う彼へ、六羽のうちの一羽が飛び立つ間際に手紙を落とす。
手紙に目を通したハリーは、ロンへそれを渡した。
その手紙を、ロンは次にシオンへ渡してくる。
シオンが手紙を受け取ると、隣から覗き込むようにしてヒマワリが、席を立ってマリアやシャーロット、シェリルもやって来た。