【防衛部】BITTER&SWEET CHOCOLAT
第4章 流星のもとで君を抱きしめて
ある日の学校帰り、雪菜と別府兄弟の三人は河原を歩いていた。
「桜、まだ咲き始めだね」
「そうだな」
「雪菜の方がキレ…」
言いかけた月彦の口を、両手で押さえる雪菜。
「それ以上言ったら…!」
頬を膨らめる雪菜に、薄く笑いながら手を取る月彦。
「まったく、塞ぐならこうして…」
「行こう、ハル先輩」
顔を近づける月彦に背を向け、日彦の腕を取る雪菜。
「何やってんだよアキ…」
「恥ずかしがり屋ですね…」
残念と言った顔で、月彦は雪菜の手を取り桜を見上げる。
「雪菜には、こうした方がいいんだよ」
日彦は突然雪菜の顎に手を添えると唇を奪った。
目の前で不敵に笑う日彦に、顔を真っ赤にする雪菜。
「それではキスする前の可愛い顔が見られないじゃないですか」
月彦は雪菜を背後から抱きしめる。
そして、頬に手を添えると触れそうなほど唇を近づける。
「ほら…この瞬間…」
「確かに…すげー可愛いな」
日彦が目の前で囁く。
その瞬間、雪菜は耐え切れずうつむいた。