【防衛部】BITTER&SWEET CHOCOLAT
第2章 星の欠片を今、この手に
如月雪菜の幼い頃からの想い人が別府兄弟だと分かり、付き合うことになって数日。
学校帰りに雪菜が黒玉湯の前を通りかかると、暖簾をくぐって姿を見せたのは湯布院煙と鬼怒川熱史だった。
「お、雪菜じゃん」
「雪菜ちゃん、今帰り?」
お風呂上りのピンク色の頬を見て、雪菜は思わず微笑んだ。
「はい。二人は…相変らずですね」
「まーな」
「手足伸ばせて気持ちいいよ?」
「私も、たまには来ようかな」
そう言って三人は笑い合う。
「そういえば雪菜ちゃん、最近あの二人と一緒なの見かけるけど」
「名前で呼んでやったのか?」
何気ない二人の質問に、雪菜は頬を赤くする。