第5章 5
次の日のレッスンへの行き道
駅のホームにはじんじんと玄樹くんがいた
声を掛ける勇気なんかない
ましてや
こんな人がいっぱいいる場所で
ファンが怖いよ
またナイフ向けられたら?
今度こそ刺されるかもしれない?
偶然健人くんとかが通りかかるとも限らないし
これ以上迷惑掛けれない
どうする?
じんじんたちと元に戻れないの?
無意識に鞄の紐を強く握る
《強くなれよ》
風磨くんの言葉が頭に浮かぶ
よし。強くなるんだあたし
じんじんと玄樹くんの元へ駆けて行く
「おはよう じんじん 玄樹くん」
二人はびっくりしたように顔を見合わせる
「おはよう聖奈」「おはよう聖奈ちゃん」
二人は微笑んで返してくれた。
「い‥‥‥いっしょに行っても‥‥いい‥かな?」
なぜだか緊張してどもってしまう
「いいに決まってんじゃん。ほら、行くよ」
と手を引いてくれたじんじん
あんなに酷いこと言ったのに
あたしを受け入れてくれるんだね
やっぱりじんじんがいないとあたしダメだ