第5章 5
「あたし、じんじんたちのこと信じてるから。」
レッスン室の方からで聞こえた声
間違いなく聖奈の声で泣いてるのか少し震える
でも、力強い声だったから
ドアの陰に隠れて見守る
「は?いい加減にしろよ」
振り上げられた葵の手
「おい、その辺にしてやったら?」
出て行くとガールの子はばつが悪そうな顔をする
おどおどしてる遥ちゃんとのえるちゃん。
「恥ずかしくねーの?1人によってたかって。」
聖奈の目からは涙が溢れ出す
信じてると言ってくれた。
だからそれに答えるんだ。
「神宮寺くん‥‥‥」
「聖奈はさ、泣き虫だし、ダンスも覚え悪いし。だけどさ、1人で人一倍努力してんの。こーゆーのあっても誰にも頼ろうとしない1人で背負ってんの。そのくせ1人で泣いてバカみたいだよな。だけどさ、だから守ってやらなきゃって思う。周りからの信頼もつえーんだよ。お前らの方がよっぽどきたねーじゃん」
悔しそうに逃げて行くガール
「じんじん」
聖奈の泣き顔
また泣かせちゃったな
頭を撫でてやると俺のシャツをつかんでぐる
そのまま抱きしめてやって頭を撫で続ける
「頑張ったな」