第3章 2
もう逃げない。
もう君から目を反らしたりしない
聖奈の笑顔は俺の光だから
あの日見つけた小さな光
手を離されても俺が離さなければ良かったんだ
「聖奈っ」
楽屋に戻り君の元へ
「じんじん?」
俺を呼ぶその声
「ごめん。気づいてやれなくて」
この手はもう離したりしないから
「じんじんが悪いわけじゃないよ」
そっけなく返して去ろうとする君の手を握る
「俺‥‥‥もう離さないから、」
だから信じて?
だから君も離さないで?
僕が必ず
「守るよ」
そう言った瞬間
君は悲しそうな表情に。
なんで?
僕じゃダメなの?
「じんじんには‥‥‥‥‥じんじんにはわかんないよ」
聖奈の泣き顔
ハッとして手を離してしまった
その瞬間、聖奈は走り去る