第8章 最終任務
もう一度強く抱きしめられるとそのまま小さな声でカカシ先生が話し始めた
「この面は…楓、根に所属したのか?」
「…はい。」
「どうして?」
「皆を、守りたかったの…。ずっと、守られる側で…
…でも、間違っていたって、今はわかっています。どんな罰も、受けるつもりです…。」
それは本音だった。
木材にささる苦無を見たときに、本当に守りたかったのは木の葉じゃなくて、私の大好きな人たちだった。
私はダンゾウ様の幸せよりもカカシ先生の幸せを願いたかった。
それなのに…
「楓、何人手をかけた?」
「えっ…」
「聞いてるんだ、何人、殺したの?」
カカシ先生の声は低く、少し怒っているようにも感じた
「私が弱いせいで、親友を1人、そして小鳥を10羽…見殺しにしてしまいました…。私は皆を助けられなかった…。」
「その人、そしてその鳥達を楓が直接殺したの?」
「そっ…そんな事…しない…、私は殺された鳥達を、生き返らせろと、言われていて…でも、ちっともできなくて…
助けられなかったの…鳥も、親友も…」
「そうか…じゃあ、誰も殺してはいないんだね?」
「はい。」
そういった瞬間体が離され、
カカシ先生の両手が私の肩に乗せられた
「よかった…本当に、よかった……。」
カカシ先生は私の事を叱るよりも先に、
涙を浮かべて笑っていた
「先生…なんで……、私…」
「楓、おかえり。」
先生は私の髪をくしゃくしゃと撫でる
止まりかけた涙がポロポロと流れる
「先生、ごめんなさい…私、先生に本当に、ひどい事をしちゃって…」
「話は後だ、ガラス、腕に刺さってるでしょ?医療班に診てもらおう。」