第8章 最終任務
私はカカシ先生の入院している部屋が見える木に登り、そっと顔につけた面越しにカカシ先生をみた。
久々に見るカカシ先生は、
以前よりだいぶ元気になっているようだった。
(またイチャイチャシリーズ読んでる…。)
次に会うときは私が貴方を守りたかったのに…
そんな事を思っては、集中しなければと先生の行動を見ていた
先生が急に本を読むのをやめ、きょろきょろし始める
(わっ、あぶな!?なんで!?)
カカシ先生の謎の行動に心臓が跳ね上がる
流石に木の茂みの中をわざわざ見ることはないとしても、これでバレてしまったらと思うと…
「うぅ〜もー…カカシ先生のばか…………」
なにをしていたんだろうと思いもう一度こっそりと部屋を覗くと
カカシ先生は枯れた花を持っていた
「嘘…」
(私が、枕元に置いていった花?)
もう枯れているそれを、先生は大事そうに両手で持って見つめていた
(なんで…私が置いて行ったって知っていたの?
もう…どうしたらいいか、わかんないよ…)
「カカシ先生…わたし、先生のこと好きになっていい資格、ないよね…」
(本当にごめんなさい…)
心の中でたくさん謝ってもわたしがこれから先生にすることは変わらない
「草遁……草花再生…」
だから、どうか…どうか少しでも、
貴方がその花を見て幸せになりますように…
面の中は涙でぐちゃぐちゃで、気持ちが悪い
(今日はもう、帰ろう)