第8章 最終任務
楓side
数日間引きこもっていたせいか、ダンゾウ様が直接私の部屋に来た。
「楓、いつまでそうしている」
むくりと起き上がり、ベッドに腰をかけたまま久しぶりに床に足をつける。
ひんやりと足に石の冷たさが伝わる。
「申し訳ありません…もう私にはなにもできそうにないんです…。」
「ふむ…」
ダンゾウ様は黙って杖をついたまま立っている
「……私に、なにができたのでしょうか?
私は木の葉を支えたくて根に入ったんです。
でも、私は支えられてばかりで、
そしてついに、支えを失いました。
私はどこに行っても役に立たないんです。」
ダンゾウ様はしばらくして声を出した
「楓、お前にしかできない仕事がある。お前にとってそれが最終試験となる。
それが成功したら私が助かる。つまり、木の葉のためになる。
私は木の葉を支えるためにやりたいことがあるんだ。それの手伝いをしてくれんか?」
(私にしか…できないこと…?)
さっきまで静かになっていた胸が、少しずつ高まるのを感じる。
私にまだ、やれる事があるの?
「私にしか、できないんですか?
私が、木の葉のために役に立てるんですか?
ヒマリみたいに、意味もなくなくなってしまう人をなくしたいんです!」
思わず早口になってしまう。
(役に立ちたい、役に立ちたい、
私が生きてる意味を見つけたい
生まれてきた意味を見つけたい
根をあるべき姿に変えたい…!!!)
「やっとやる気が出たか。」
ダンゾウ様は表情を変えずに続けた
「楓、最終試験を受けるか?」
「はいっ!!!」
私は二つ返事で最終試験を引き受けた
ダンゾウ様がにっこりと笑っていることも知らず