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届かぬ想いと隣の君【NARUTO】

第7章 桃色の花


ヒマリはその後私と一緒に亡くなった小鳥たちを外に埋めに来てくれていた。

しばらく小鳥たちの前で手を合わせてから、私に話しかけた。

「楓、明日こんな修行続けられないって事、一緒に言いに行こう?」

1人ではもう何も聞いてもらえなかったので、その言葉が本当に心強く、勢いよく頷いた。

「ねぇ、ヒマリ。」

「ん?何?」

「私って、ここに必要なのかな?」

「何言ってんの!?」

ずっと気になってた事をついに聞いてしまった

「私、大好きな友達から離れて、根にきたの。早く強くなって、友達を守りたくて。
でもね、もうそこに私が帰る場所はない気がして。」

ヒマリちゃんは私の言葉を真剣に聞きながら、しばらく黙っていた。

(やっぱり重すぎたかな…?)

「んーーー。難しいことわかんないし、なんて声をかければいいかもわからないの。
でも私が一個だけ楓に言えることと言ったら、
私の帰る場所は楓の横だよ。
根に来るまで私は友達もいなかったし…、ここにきても仲良くできる人がいなくて。
だからね、私、楓がいなきゃ困っちゃうよ。」

「ヒマリ…」

「だから楓も。いつでも横においでよ。私の横が楓の帰る場所だよ。」

不思議とヒマリと話していると私の多くの罪悪感が、薄れていくのを感じた。

(ありがとう…)

「あっみて、楓!この花…誰かに踏まれちゃったのかな…可哀想…可愛い色しているのにね」

突然ヒマリが大きな声を出すと、桃色の小さな花を見つけた

(サイと見つけたお花と同じ花かな?)

この季節に咲く花なのだろうか

「待ってね……草遁 草花再生!」

根元から折れていた茎も、萎れていた花びらもしっかりと生き返った

「楓やっぱり何度見てもすごいよー!この花は思い出に持って帰ろうかな」

「ふふっ、いいね。」

「押し花にしようか、ドライフラワーにするのもありだよね〜!」

はしゃぐヒマリを横に、
初めて修行を頑張ってよかったと思えていた。
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