第7章 桃色の花
サイside
今日も僕は楓に絵手紙を描いていた
「サイ、こんなところでなにしているんだい?」
ふと後ろから隊長の声がする。
「ヤマト隊長…、手紙を描いてるんですよ。」
「手紙か。毎晩書いているよね?どこになにを送っているの?」
ヤマト隊長はまっすぐとこっちを見ながら訪ねてきた
「なにか疑っているんですか?、見てもらって構わないですよ。楓に描いているんです。今日あったことを。7班のみんなが大好きなようでしたので。」
「え?楓に??」
ヤマト隊長は素っ頓狂な声をだして手紙を覗き込んできた
「しかもこれ、全部絵じゃないか。これは僕かい?これはサクラで、こっちはナルトか。うまいんだね。」
「はい。文よりこっちのほうが、イメージしやすいかと思って。」
「楓も喜んでいるだろうね。
まさかそんなに、サイと楓が仲良しだったとは知らなかったけど…」
少し口を尖らせながらいうヤマト隊長に少し驚いた。
(この人、こんな顔もするんだなぁ。)
「ヤマト隊長、それはヤキモチっていうやつですか?僕と彼女はただ同じ根ってだけですよ。」
ヤマト隊長は珍しく狼狽えると顔を真っ赤にして顔をブンブン振っている
「な、なにいってるの!?
コホン。
楓は自分が修行をついていたんだ。
だから少し心配でね。
サイはなんで楓が根に入ったか、
…いや、ダンゾウがどうして楓を根に入れたのか知っているかい?」
本当のことを言ったらこの人は楓を助けに行くのだろうか。
自分自身、ダンゾウ様にはサスケの暗殺を頼まれてここにきている。
自分の主はダンゾウ様であって、ヤマト隊長ではない。
「さぁ…知りませんね。でもまぁ心配しなくても大丈夫だと思いますよ。」
毎日密かに練習している笑顔でそう答えた自分も、
ここ数日自分が送った鳥獣戯画の手紙を楓が全く開いてないことに関してほんの少しだけ無意識に心配をしていた。