第7章 桃色の花
新しい修行だと浮き足立っていた自分が憎い。
すぐに任務につけないくらい自分が弱いから、だから、修行をしなくちゃいけなくて…
そして私の修行のために目の前の小鳥が死んだ。
「ごめんなさい…」
男が去ってから小一時間程度がたったが、一向に小鳥の命は蘇生されることがなかった。
何度やっても同じだった。
私はせいぜい草だけだった。
テンゾウお兄ちゃんと違って木さえ作れない自分に、命をまた作ることは無理だった。
あと3日…
(なんで殺したの…私ができるわけないって…わかってたはずなのにっ…)
悔しいのか憎しみなのかわからない涙が視界を歪まし、印をうまく結べない。
「どうすればいいのっ…私のせいで…」
サイが送ってくれた絵手紙にも気付かず、その日は食欲もないままひたすら小鳥に対して術をかけ続けた。
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3日はすぐにたった。
男は目の前にもう一羽、死んだ小鳥を私の部屋に投げ捨てた。
「やめてください、できません…できないんです…私のできない修行のために、殺さないでください…お願いします…」
必死にお願いをしても男はなにも答えずに去っていくだけだった。
明らかに食は細くなり、体力の限界で寝落ちて起きては目の前の小鳥を見て現実に引きもどされるような生活が続いた。
諦めたくなかった私は3日経っても命を蘇生できなかった小鳥を部屋に置き続け、
私は2羽の小鳥に向かって術をかけ続けた。
ヒマリちゃんは部屋からほとんど出ない私を心配して何度かドアの前にきては声をかけてくれていたが、
私のせいで死んだ小鳥がいる私の部屋に彼女を入れたくなかった。
幻滅されたくなかった。
そうしているうちに日付は進み、
私の部屋の小鳥の死体も3羽、4羽と増え続けた。