第2章 迷い猫
(でも…本当に遅いな……)
徐々に小さかった不安が大きくなる。
前の任務で少々無理をさせていたパックン達には休んで欲しかったのだが…
「おやすみ中、本当にごめんね〜?愛しの楓ちゃんが見つからなくってね…
そろそろお腹すかせて泣いているかもしれないから、探すの手伝ってくれない?」
お願い!と手を合わせる
わかったよ、と七頭が同時に探し始める
程なくしてパックンが見つけ出した。
「うーん…ここの下じゃな。あとはすぐ見つかるじゃろ。」
「え?下水道ってこと…?みんなありがとね、ここからは俺が探すよ」
お礼を言うとポンッと音を立てて皆が消えた。
(ちょっと…重いな…!)
なんとか蓋をあける。
なんとも言えないジトッとした空気が吹く
「楓…?」
ストンッ…
下水道に降りるとすぐに愛しい姿が見えた。
「ぇ…、カカシ先生……?」
少女の目は赤く腫れていて、沢山泣いていたのだろう。
「カ…カカシ先生……うぅっ…」
再び涙を目に浮かべ駆け寄ってくる
腕の中にはしっかり猫が抱かれていた
思わずぎゅっと抱きしめる
「…っ!」
一瞬びくりとした楓だったが、よほど怖かったのか、顔を胸に押し付けてスリスリしてきた。
「カカシ先生…ありがとう…怖かった…」
「さぁもう帰ろう、楓。外は真っ暗だよ。」
「うん。」
不安でまだ震えている彼女の手を片方とり自然と手を繋いで戻った。