第6章 暗部養成部門「根」
サイside
草遁…はじめて聞いた。
枯れた花が咲いただけ、
一見ちっぽけな技であるけどすぐさまダンゾウ様が楓をここにいれた理由がわかった気がする。
もし、チャクラ量を増やしたり、活用法を工夫したら…
今はたかが目の前の花の命ではあるが…彼女が命を忍術で扱った事には変わりない。
ダンゾウ様は彼女をどう利用するつもりなのだろうか?
楓が咲かせた小さな桃色の花を摘んでみる。
先ほどまで枯れていたとは思えない位みずみずしいその花は、ふわりと甘い香りがした。
「楓、ちょっとこっち寄って。」
「うん?」
「…うん。似合うね。」
髪に花をつけてそういうと、花と同じ桃色に頬を染めて彼女は笑った
「ありがとう」
(…可愛い)
感情というものも消えたはずの
お世辞も何も言えない僕は、
その時純粋にそう思っていた。