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届かぬ想いと隣の君【NARUTO】

第6章 暗部養成部門「根」



サイside






しつこく僕が泣いていると言う彼女は僕と友達になりたいらしい。

友達なんて、作っても無意味なのに。

自分を弱くするだけなのに、どうして自分の弱みをわざわざつくろうとするのか

つくづく、彼女に根は向いていないと思う

まぁでも、しつこく彼女止めてもこのタイプの人はそれなら根を変えてみせる!とか言いそうで、正直面倒臭かったからやめた。

彼女が根に向いていないのは一目瞭然だけど、根に向いている人ってどんな人なのだろう?

ーーー僕??

(根の世界の他を見たことがない自分にはもう、向いているかどうかも関係ないけど…)

そんなことを考えているといつのまにか彼女は僕を呼び捨てにしていて、何やら満足そうに頷いていた。

「楓」

なんとなく、気まぐれで自分も彼女の名前を呼んでみる

「ん?何?」

「試しに呼んでみただけだよ。」

にっこり笑う彼女の顔は太陽のようで、やはり根には向いていないのだと思う。

彼女は大切な人を殺せと言われたら、
それをできるのだろうか…?
そう言われたら、どうするのだろうか?
彼女の大切な人って、どんな人なのだろう?

感情を殺したはずのサイの中で、
かすかな好奇心と希望が芽生えていたことをサイはまだ気づいていなかった。
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