第6章 暗部養成部門「根」
正直、意外だった。
暗部は木の葉を支える大事な組織だと思っていたから。
木葉のみんなを守るためにある暗部の人間があのようなことを言う事が、理解できなかった。
サイは大事な人を殺したのだろうか?
しかし表情から何も読み取れない彼の笑顔は、なんだか寂しそうで、
私はサイの前に行き、持っていたクナイを置いた。
「悲しい顔をしないで。
もし、根に入ると大切な人を殺さなくちゃいけないって決まっているのなら、
確かに、私は向いていないかも…。
でも、それが普通じゃないってわかってるから、あなたも今心の中で泣いているんでしょう?
私と同じじゃない。
私、サイくんとお友達になりたい。」
本音だった。
お節介かもしれないけれど、地深くで木の葉を支えるという意味の根は自分にとって、すごく素敵な場所に思えていたから、
そんな悲しい事を偽物の笑顔で言うサイくんが可哀想だった。
「泣いてませんよ?僕は、今笑っているでしょう?」
一瞬驚いた顔をしたものの、すぐにサイは作り笑いを作った
「それを泣いてるって言うんだよ。」
「楓さん変わった人だなぁ…」
「ね、いいでしょ?サイって呼んでもいい?」
「はい。」
「私のことは楓って呼んで!」
「はい。」
「あと敬語もやめて!」
「はい……あ、うん??」
少しずつ仲良くなれたらいいなと思いながらにっこりと笑った