第6章 暗部養成部門「根」
「一体、何が目的なんだ?」
眉間に皺を寄せながら綱手が先に話し始めた
「はは。そんな、目的なんかありませんよ。ただ、彼女には暗部が、特に”根”が向いていると思いましてね。」
にっこりと作り笑顔をしダンゾウは続けた
「彼女には、闇がある。そういう子がピッタリだ。」
「信用できん。暗部ってだけではない、お前が率いる根にわざわざ楓を配属させる必要はない」
「そうですかねぇ…本人も、それを望んでいるようですが…、彼女は絶対に使える忍者になる」
「楓を物のように言うな!それに楓がいなくなったら7班はどうなる?」
「サイという優秀な忍者がいます。楓の代わりに7班にはサイを送ろうと…」
どうしても楓を根に送りたくない綱手だったが本人もそれを希望してしまっていることから良い言い訳が思いつかなかった。
「ふんっ…少し考えさせてくれ、近いうちに答えは出す。」
「それでは。」
にこりと笑ったダンゾウはまたコツコツと杖を鳴らし部屋から出た
同時に楓が戻ってきた
「綱手様…」
「なぁ、楓…私は、アイツが…ダンゾウが信用できん。
何か裏があるような気がしてならない。楓の大切な仲間と交流する機会も少なくなるし、なにより暗部の、特に根の仕事は…楓、お前をこれから沢山傷つけることになるだろう。
そんなことみんな望んでいない。それでも答えは変わらないか?」
「私、みんなが思ってるほど良い人間ではないんです。今の自分は、私自身が許せません。私は今の7班のメンバー含む周りの皆さんが本当に大好きです。なんとしても、守りたいのです。」
「…そうか。意思は固いようだな。とりあえず、今日はもう帰れ。後日また連絡する。………考えが変わったら…すぐに知らせろ。いいな?」
切ない顔をして綱手はそう言った
「…はい。ありがとうございます。では…」