第5章 第七班
カカシside
しばらくして俺はやっと楓を離した。
(一生離せなくなりそう)
我ながら好きすぎて怖くなる。
ずっと抑えていた反動なのか、自分が弱いのか…理性が消えかけていた。
何も拒絶しない楓に嬉しさを感じる一方誰にでもこんなことされてないかと不安になる。
(こりゃ、一番のダメ教師だな…)
「…そういえば、この間楓が俺を助けてくれた時の忍術だけど…あれって、なんだったの?」
まだ帰って欲しくなくて、真面目な質問をしてみる
「あぁ、草遁!テンゾウお兄ちゃんがね、私はテンゾウお兄ちゃんと同じチャクラ?力?があるって!でもね、テンゾウお兄ちゃんほど強くないみたいで…草になっちゃうんだ。木だったらお家作れたのにね〜」
えへへっと笑う楓
(可愛い…。…じゃなくて。と言う事は楓は陽の性質変化ができるのか…?)
彼女の過去になにがあったのだろうか…
しかし、それであの枯れた植木鉢の花も咲かせられたのだろうか?
(なんだか、楓らしいというか…)
「いつか、役に立てるといいなぁ。」
今はまだ弱いけどと、照れながら話す。
「もう、立ってるよ。俺のこと助けてくれたじゃない」
「うん。あの時は必死だったんだ。先生が無事で本当に良かった。」
(しかし…なぜ楓が…陽の性質変化を…)
「先生…?どうしたの、どこか痛い…?」
(楓は俺が思っているよりもずっと、凄い才能を持っているのではないか…?)
狙われてもおかしくない才を持った楓に対し、不安を感じる
「…楓の事は俺が必ず守るからね。」
もう一度楓の手を取って自分に近づけ、柔らかい髪をそっと撫でた。