第5章 第七班
軽い抵抗は意味もなく、しばらく抱きしめられたまま私は驚いてなにも言えずにいた。
(な、な、どうなってんの!?な、なんで!?先生はなにを考えて…)
すると突然先生の体を伝っていつもより真面目なトーンで先生が話し始めるのがきこえた
「……あの…さ?当たり前なことだから言ってなかったけど楓は第7班の大切なメンバーだし、俺にとって一番大切で特別な生徒なんだよ。誘わなかったのは……ただの俺の嫉妬だから。」
「えっ、それって……」
「テンゾウと楓、やけに仲良いんだもの。楓の担当上忍は俺なのに」
「え?え?…ふふっ、なにそれ?」
「俺の事はお兄ちゃんなんて呼んでくれないでしょ〜?なんでテンゾウなのよ」
「そんなの…」
(先生が好きだからに決まってる……)
「カカシ先生は……、特別だからだよ」
「楓、それ、誰にでも言うの?」
「え?なんでよ、先生にしか言わないよ、特別なのは先生だもん」
「そうか…」
「ねぇ先生。苦しいよ、ぎゅってしすぎ。」
「いいじゃないの、誰も見ていないし、こうすると先生は回復するの。」
(私は心臓がもたないんだけど…)
横目で先生を見ると耳までほんのり赤く染まっていた
「ねぇ、先生、もしかして、照れてる…?」
「あーーーもう。そういうこと、言わないの。あのね、楓。……楓も俺にとって特別なんだからね。」
「そんな…」
(なんでこんなにさらっと…期待させるんだろう?)
嬉しい気持ちと一緒に胸がキュッと締め付けられた。