第5章 第七班
我愛羅君が亡くなって皆が暗い中、ガイ先生はみんなに対していつも通りに接してくれていたが
ここまでくれば大丈夫だろうというところでチヨ婆様が立ち止まり、我愛羅君の身体に医療忍術を行ない始めた。
(我愛羅君の治療…?)
サクラちゃんの頬に涙が見えた
カカシ先生を見ると、私の隣まで来て肩を抱き寄せられた。
「ねぇ、カカシ先生…我愛羅君を……助けられるの?…だって我愛羅君……」
しっ、と指を口の前に立てカカシ先生がチヨ婆様の方を見る
程なくして、私は何が起きたのかやっと理解ができた。
(命に代えてでも、守りたい命…。我愛羅君、本当に、愛されてるね。)
大粒の涙を流すサクラちゃんを見て、またひとつ気づく
(ちがう。みんな、みんな愛されてるんだ。)
自らの命に代えて我愛羅君を救ってくれたチヨ婆様は、さっきやっと正しいことができたと笑っていた
私は、
自分の命が大事で、仲間が死んだ。
かつての8班のみんなを思い出してズキッと胸が痛む
ひとり、またひとりと英雄が居なくなる中、
背中を見て学んで来た私の仲間達
対して何も変われていない自分が浮き彫りになったようで、
胸のざわざわが消えなかった。
こんなあたたかいメンバーの中に私がいることに、違和感を感じていた。