第5章 第七班
楓side
気がつけばカカシ先生が私を抱きしめていた。
「スーーーー、スーーーー」
「え!?ちょ!!?カカシ先生やめてよ!嗅がないで!汗臭いから!」
「いいじゃない、ちょっとくらい。」
バタバタするたび強く抱きしめてくる先生に私は諦め、素直に先生の胸に顔を埋めた。
ツンと鉄の匂いがする
「先生は…血の匂いがする……。大丈夫?」
先生は咄嗟にあっごめん!と私を離すとどちらからともなく目が合い見つめ合っていた。
「なんか、すごく久しぶりな気がするね。カカシ先生、ちっとも構ってくれなかったから」
大人気なく拗ねる自分をカカシ先生は変わらずやさしい瞳で見つめてくる
「…ごめんな……」
先生はもう一度私に謝るとくしゃりと私の頭を撫でた
(あ…やばい……)
そう思った時にはもう遅く、私は大粒の涙を零していた
「私…嫌われたのかと思ったよ、私…カカシ先生じゃなきゃ…ダメなの、テンゾウお兄ちゃんじゃなくてっ……こちらこそ、ごめんなさいっ…」
(言いたいことはたくさんなのに、うまく言葉が出てこない)
「楓…」
先生はもう一度私をきつく抱きしめてくれた。
「ひっく…バカカシーー泣」
「なっ、やっぱりあれ空耳じゃなかったの?コラ!先生に馬鹿なんて言っちゃって!こちょこちょ…」
「ひゃ!?」
変な声が出る
「先生!!ギブギブ……やめ…っ、きゃっ!」