第5章 第七班
カカシside
「おい!ナルト!!落ち着くんだ!」
我愛羅の死体を改めて見たナルトは酷く興奮していた
ーーー妖狐の衣
前に自来也様の言っていたものがこれかと、俺は驚きで動けずにいた
もう既に三本の尾が出てしまっている
『いいか、尾が一本のうちに止めろ』
まずい。これをどうにか、ナルトに貼らなければ……
手には自来也様からもらった封印の札がある
これ以上はナルト本人へダメージが……
「ナルト!!!」
思いっきり力を込めナルトの方へ飛ぶ
(よしっ、このまま貼れ…)
「ぐっ…ぅ………はっ」
俺の体は一瞬で吹き飛ばされ後ろにある木にそのまま体が打ち付けられた。
(まずい。本当にまずい。)
今のナルトには何も聞こえない
とにかく無理矢理にでも…
考えている間に目の前に変わり果てた姿のナルトがいた。
4本目の尾が…
万華鏡写輪眼はまだ不慣れな為、時間がかかる
体は骨が逝ったのか容易に動かせない。
もう……
「カカシ先生!!!!!」
この期に及んで楓の声が頭の中に響く
楓………
「バカカシー!!!」
(え?馬鹿!?楓……俺の事そんな風に呼んでたっけ…?)
最後に大好きな彼女を思い浮かべ自分でツッコミをする虚しさ……
「危ないってば!カカシ先生!!!草遁・黙殺縛りの術!」
目の前でナルトの動きが止まる
(え?草遁…?て…何…)
「カカシ先生!!その手に持ってるのは封印札!?急いで貼って!私これ以上は持たない…っ!」
「楓…!?」
「早く!」
俺は頭がついていかない中急いで札をナルトの額に貼った。
妖狐の衣がひいていく。
(どうにかなった…のか?)
「カカシ先生っ!!」
「楓……本当に、楓なのか…?どうしてここに…」
空耳かと思ってた声は本当に呼んでくれてたのか…
「先生、遅くなっちゃった、ごめんなさい。立てる…?」
手を差し伸べてきた楓の腕を取り、自分に近づけた
「ひゃ!?カカシ先生っ…!?」
「楓………。」
「え、っ…せんせっ……な、泣いてるの?」
腕の中であたふたとする楓がたまらなく愛おしく、さらに腕に力を込めて抱きしめる
(こんなに好きで、大切なのに……俺は…)
「ごめんな……」