第5章 第七班
楓Side
あれから数日経っていた
「…会いたい。」
「…へ?どうしたんだい、急に。」
昼下がり。木陰で休憩をしていた。
テンゾウお兄ちゃんが少し驚いて私の顔を覗きこむ。
カカシ先生に、会いたい。
すごく、会いたい。
今、今すぐ、会いたい。
なぜかそう思った。
「カカシ先生に会いたい」
「えっ、ええっ??」
明らかに動揺したテンゾウお兄ちゃんの声は裏返っていた。
すごく胸騒ぎがする。
「カカシ先生って今、何してるのかな?里に戻ったら、会える?」
「…急だね、僕達、まだ修行は終わってないけど。」
声のトーンを戻して、テンゾウお兄ちゃんがこちらを見つめてきた。
この目をするときは、だいたい何かしら大事なことを隠しているときだ。
テンゾウお兄ちゃんはカカシ先生のことを何か、隠している。
「私、カカシ先生に会いたい。」
「それはダメだよ。」
ぴしゃりと言い放たれた。
「今、どこにいるの?カカシ先生。」
「さぁ…僕は知らないけど…きっと里にはいないよ。楓、今は修行に集中し……っ…、
…………楓…」
「どこにいるの…?」
頭を撫でようとするテンゾウお兄ちゃんの腕を掴んだ。
「もう…楓…君は……」
「すごく胸騒ぎがするの、テンゾウお兄ちゃん、お願い。教えてよ」
「…風影様が、連れ去られたんだよ。暁っていう組織にね。人柱力が狙われてるんだ。」
「風影様って、我愛羅!?我愛羅君が、連れ去られたの!?ナルト君は!ナルト君はどうしてるの!?」
まさか人柱力のナルト君が、連れ返しになんて…
「勿論行っちゃったよ。だから、同じ第七班のカカシ先輩とサクラさんも一緒に行くことになったんだ」
「…え?」
第七班…私は……?
私は…カカシ先生に捨てられたの…?
「それでも行くかい?カカシ先輩の所に」
なんで…?
「…楓……」
「…行きます。私、第七班のメンバーですから。今から行きます」
「…まいったなぁ〜、本当に、頑固というか……」
はぁ〜っと大きくテンゾウお兄ちゃんが溜息をつく
「今、どこにいるか僕はわからないから…大体の場所しか把握してないけれど……行けるかい?」
「はい!」
もう一度溜息をつくと、綱手様には僕が伝えておくよとテンゾウお兄ちゃんと別れた