第19章 守りたい日常
「しっかし大人になってからというものの、本当に出会いがないよなぁ!」
後半戦になるとこれだ
久々のメンツが集まるとまずは近況報告から。
酒が回ると男も女も恋愛話だ
特に独身メンバーは既婚者や相手がいる奴らをいじりつつ、一通りいじり尽くした後はおひとり様同士実際問題最近どうなの?と深掘りしていくお決まりパターン。
勿論オレもそちらの深掘りされていくメンバーであり…
「カカシはいつなんだよ〜、顔も良くて高身長、しかも上忍火影候補!引くて数多なのにさぁ」
「いやぁ、そんな事ないよ、ははっ。」
「もしかしてあんまり興味ないとか?」
「勿体ねぇなぁ〜」
オレには楓がいるけれど
楓が成人になる前に公言はやめておいた方がいいしな、ここは軽く流し……
「あのぉ…もしかしてはたけカカシさんですかぁ〜?」
そんなことを考えていたとき
別の席にいた女性3人組が近づいてきた
「えっ、あ、はい。」
「ほら!きたじゃねぇか!」
隣の奴が耳打ちしてくる
「いやいや…」
こそこそ話しているとほろ酔いに見えるその女性3人はオレの隣に座りたいと言い始めた
「えっいや、それは…オレ達久々に集まってて…困…
「いいじゃねぇかカカシ!
お嬢さん方どうぞどうぞ〜!」
「えっ!嬉しい〜!カカシさんって呼んでいいですかぁ?隣失礼します!!」
「はぁ…」
「えってか全然呑んでなくないですか!?あたしたちさっき一本注文したけど飲みきれないやつあって〜よければみんなで飲みましょうよ〜!ほら!ほら!」
(…めちゃくちゃ疲れるな……)
名前も知らない女性に腕を組まれる
「…いや、ちょっと…」
咄嗟に腕の方に視線をうつす
「えー嫌ですか?でも私のここ見てますよね?」
はだけた服から胸の谷間が丸見えだった
「いや、腕を見ただけで…服はだけてるから直したほうがいい気が…」
「やだ、恥ずかしがってるんですか?カカシ先生なら見せられるのに…このあと二軒目行きません?」
「いや…」
(困った、好きな人がいることくらいは言っておくべきだったな…)