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届かぬ想いと隣の君【NARUTO】

第18章 千手一族とうちは一族


「楓、大丈夫。落ち着いて。」

隣に座っていたテンゾウお兄ちゃんはすかさず背中を撫で、机に置いていたお茶を近づけてくれた

「て、テンゾウお兄ちゃん…だって、そんな強い人が木の葉に恨みを持ったまま、生きてたら…そしたら…」

「楓、大丈夫だよ。とりあえず今ここにはオレとテンゾウしかいない。ほら、スルメイカ早く食べないと、オレ食べるの早いから消えちゃうよ?」

向かい側に座っていたカカシ先生は立ち上がってから私の横でしゃがみ、膝の上に落ちたスルメイカを手渡してくれる

この漠然とした不安はどうすればいいんだろう…

今横にいる2人が突然消えてしまったら?
大好きな仲間が死んでしまったら?

ペイン戦が終わっても今もなお、”木の葉”を狙っている者がいる。それが怖くてたまらなかった。

うちはマダラ…。私でももちろん知っている
この木の葉を作った千手柱間とあの終末の谷で戦った人だ
元々平らな土地だったところに最強の2人が戦ったことでできたその谷には
2人の顔が彫られている。

そしてあそこは、サスケ君が里抜けした後にナルトくんと戦ったところ。

あの谷に流れた滝を見ていると、私はずっと心がザワザワする
まるでずっと、戦いが終わらずに続いているように見えて…

「……私怖い。ちゃんとみんなのこと守れるのかな、テンゾウお兄ちゃん、カカシ先生、みんながいなくなっちゃうのが怖い…ずっと、ずっと続くの?どうして?」

カカシ先生は黙って私の空いた手を繋いでくれた

「ナルトからその話を聞いた後、実はそのうちはマダラと接触しました。彼はナルトと話にきただけだと大きな戦闘にはなりませんでしたが…
その時僕が彼をうちはマダラと呼んでも否定するどころか、おそらく正解だったんでしょう。何も驚いた様子も見せず、話し続けたんです。
サスケがどうして、暁に入ったかも…」

「楓…辛かったら席をはずしていい。あっちで待ってなさい。」

「カカシ先生、ありがとう…でもちゃんと私聞くよ…あの時サスケ君から私は聞けなかったから…」
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