第17章 わたあめより甘い
「…本当にかわいいな。ちょっとこっちきて。」
少し人通りを避け裏路地に入る
楓の顔に近づき、オレはマスクを下げてついたわたあめに口付けをした
「…ひゃ!?」
「わたあめ、甘いねぇ。」
「な、ななな、何するの!?」
片手に綿飴を持ったまま楓はぷんすか怒っている
「せ、先生もう一回マスク下げて!」
「ん?どうして?」
「いいから!!!」
そういってマスクを下げた瞬間口元にわたあめを押し付けられる
「うぉ…」
自分の口の周りには先ほどの楓のように髭が生えているのだろう
「やられちゃったね〜。キスしてくれるのかと少し期待してたんだけど。」
「……先生のバカ。」
そういうと楓はオレの肩に手を乗せて背伸びをする
ちゅっという音共に楓が頬にキスをしてくれたことに気づく
「……っ!」
「わ、わたあめ食べただけだもん…」
聞いてもいないのに言い訳をしながら、
頬にキスをしただけで茹で蛸のように赤くなる楓が可愛くて仕方がない
「思いっきり口につけるから、わたあめまだついちゃってるんだけど、楓取ってくれる?」
そうやってオレはいつものように調子に乗る
きっと自分で拭いてとまた可愛く怒るのだろう。
そう思っていた。
「…背が…高いから….。ちょっとだけしゃがんでくれる?」
「えっ?」
思っていた反応と違い戸惑いつつも少ししゃがむと
楓は照れながらわたあめのついた頬にキスをしてくれた
「…んっ、こっちも…ちゅっ…
「えっ、ちょっと待って、楓…
名前を呼びかける途中で口が塞がれる
「ん……。…カカシ先生、大好き。」
楓は恥ずかしさで瞳をうるうるとさせながら、それでもオレの目を見て離さなかった