第17章 わたあめより甘い
私達は木の葉の里の隣の小さな町で
どんどんちゃっちゃと太鼓の音や鈴の音、笛の音が鳴る中歩きつつ浴衣屋で足を止めた
「ん〜これとかどう?」
カカシ先生は淡い桜模様の浴衣を持ってみせた
「えっ、本当に買うの…?それにそんな可愛いの似合うか心配だよ…先生のやつ探そう?」
「楓はなんでも似合うよ。でもこれは特に、楓っぽいなぁって。」
「どこら辺が?」
「優しい色合いと、たくさんの桜が描かれているでしょ。オレは桜並木の下で楓に告白されて、あの時自分の気持ちを確信しちゃったからさ。だから、桜を見るといつだってお前を思い出すわけよ。」
「な、なんでそんな恥ずかしい事ぺらぺら話せるのーー!いつだって私の告白サラッと流してたくせに!」
ポコポコとカカシ先生を叩くとごめんごめんとまた優しく笑う
「…とりあえずさ、着てみてよ。見たいから、ね?」
半ば無理やりお店の中に連れられお店の方と一緒に試着室で浴衣を着付けしてもらう
「あの外で待っているお客様のお連れ様、彼氏さんですか?」
「へっ!?」
「あっ、すみません!つい…あまりにもお似合いだったので気になってしまって。」
「えっ、えっと…、はい。」
「やっぱり!すごく素敵な方ですね!
この浴衣、実はペアのものがありまして…
男性ものの方は対象的にくらめのお色味で、
この桜浴衣のセットになっている帯と同じ模様が入っているんです。
ぱっと見じゃペアってわからないんですけど…それが当店のこだわりで…!」
すらすらとお店のお姉さんがオススメを話しているうちに浴衣の着付けが終わっていた
「是非、彼氏さんと浴衣着てみてくださいね!」
そう小声で言われてから試着室のカーテンを開く