第17章 わたあめより甘い
「…はぁ、サクラのやつもいつの間にかませちゃって……こりゃ隠すのも大変だな」
カカシ先生は少し頬を赤らめ、嬉しそうにしていた
「もう私たちもそろそろ成人ですから!」
「あぁ、そうだな。楓の成人式も楽しみだね」
「……あ…うん…。」
あと2年で私は成人になるが成人式に参加するつもりはなかった
なぜなら木の葉の里の成人式で女性はとても高価な振袖を親から譲り受け着ることが多いからだ。
(私は、お母さんお父さんの形見さえないからなぁ…)
「…大丈夫だよ。楓の担当上忍になった時から決めてたから。」
「え?何を?」
「楓に1番似合う振袖、オレが成人祝いとしてプレゼントするって。オレは成人式、参加しなかったからな。でも一生に一度だから参加してきなさい」
私の心を読んでいるかのようにカカシ先生はそういった
「えっ!いやいやいや!あれ、すごく高いんだよ!?申し訳ないし、私には勿体無…
「って言われると思ってたんだけど、ちょうどいい理由が昨日できまして。」
「………?」
カカシ先生は少し膝を曲げて私と目線を合わせて嬉しそうに笑った
「恋人の成人祝いなんて、祝うしかないでしょ。親でもないオレがどうしたもんかと思ってたけど、恋人なら、ね?」
「…っ!!」
きっと私の顔はいま真っ赤に染まっているだろう
(この数日でもう一生分の愛情をもらってしまった気がする…)
「…先生、本当にありがとう。」
「そうだ、行こうと思ってたところなんだけど、良かったら現地で浴衣でも探そうか。事前に楓には何色が似合うか定めなきゃいけないからなぁ。」
「えっえぇ!?そんな、目立っちゃうよ!任務って事にしてるんでしょ?」
「まぁまぁ。ほらついておいで」
また先ほどのようにポケットに手を入れてカカシ先生はスタスタと歩き始めた
「えぇ、どこいくの?待って〜」