第4章 兄
結局楓が全品作ってくれて、俺たちは何年振りか一緒に夕飯を食べることになった
「それで、今日はどうしてきたの。話すことでもあったんでしょ?」
「あはは、カカシ先生にはなんでもお見通しだね。
実はね、明日から、テンゾウお兄ちゃんと修行にでることになったの!」
(て、ててて、テンゾウお兄ちゃん!?!?)
ニコニコした楓は続けて話す
「形態変化の特訓をしてくれるらしくて、明日から1ヶ月ちょっと、もしかしたらもう少しだけ…里を離れるんだ。それで、私修行でここを長く離れるのとか初めてで、大丈夫だとは思うけど…カカシ先生に挨拶しておきたいなって。」
「なるほどねぇ、あのテンゾウが1ヶ月以上もつきっきりで教えてくれるとはね…」
(あいつ、忙しいだろうに……。それにテンゾウお兄ちゃんってなんだよ…)
いつのまにかテンゾウが楓のもっとも近くにいて、それを幸せそうに話す楓を見ると胸がザワザワする。
テンゾウのが…強いからか…??
またつまらないプライドが出てくる。
俺が選ぶように仕組んでおいたくせに、
いざ楓がテンゾウを選ぶことが気に食わない。
心のどこかで
私はカカシ先生がいいって
楓はそう言ってくれる気がしてたから
(なんで…なんで素直に応援できないんだ…)
心の狭すぎる自分に嫌気がさす。