第16章 憎しみの渦
楓side
くらくらとした感覚の中目を覚ますと病院でも自宅でもない天井が見えた
「……ここは…」
「楓…!」
目の下にクマを作ったカカシ先生が私を覗き込む
「カカシ先生、ここはカカシ先生の家…、懐かしい」
「よかった、本当によかった…サクラにはじきに目を覚ますって聞いてはいたけど、心配で生きた心地がしなかった」
「カカシ先生…、ごめんなさい」
「もういいよ、話はゆっくり聞くから。体調は大丈夫か?」
「うん、少しだけクラクラするけど……大丈夫。
あ、でも、お水が飲みたい。」
「わかった、少し待ってて。…お願いだから、取ってくるまでいなくならないでね?」
「うん。先生、ありがとう」
そういうとカカシ先生は私の頭を撫でてからキッチンへ向かった
カカシ先生のベッドはいつもの石鹸の香りがした
(なんだか近くに先生がいるみたい)
落ち着く香りに包まれるのが幸せで掛け布団の中に潜る
「なーにやってるの。」
片手にお水を持ったカカシ先生が布団を捲る
「えへへ、先生のベッド嬉しくってつい」
「えっ、変な匂いしない?」
「しない、カカシ先生の匂いして落ち着く」
「あーーーー、そう。ほら、水」
カカシ先生は少し照れたように目を逸らしながらお水を渡してくれた。
体を起こし、口に冷たい水を含ませる。
「ふぅ…。いてて、ちょっと筋肉痛かな」
「サスケ相手によくここまで持ったよ…置き手紙を見た時は本当に心臓が止まるかと思った。無事でよかった。サクラも刺されたところは勿論、殴られた顔見てびっくりしていたよ。綺麗に直してくれたから、あとで鏡みておいで」
そういうと先生は優しく私の頬を触った