第16章 憎しみの渦
「楓…!楓…っ!無事か!?」
カカシ先生が近づいて私の肩を掴む
(あぁ、あったかい…)
止血をしようとした傷は少し動くだけで開いてしまっていた
「今すぐ帰ろう、大丈夫だ、間に合う…っ!」
「そこに倒れている方が…、サスケ君の何かを知ってる…はず」
カカシ先生は口寄せをすると大きな犬の上にその女性を乗せた
「楓はこっちに…」
カカシ先生は私をおんぶした
「血がついちゃう…」
「そんなのはいい…お願いだから黙ってて……傷口が広がる」
カカシ先生はすごく焦っているようだった
少しでも安心させたくて私は後ろからぎゅっと抱きつく
「助けてくれて本当にありがとう。先生、私は本当に大丈夫だよ。」
「大丈夫じゃない、急いで里に戻るから…」
「先生は…大丈夫?」
「大丈夫だよ。楓がいなくなった時は全く大丈夫じゃなかったけどね。
早く帰って手当するから、安静にしててくれ」
「…ごめんなさい……」
「ん。よく言えました。さ、ここから走るから、ちゃんと掴まって。」