第16章 憎しみの渦
「本当に忌々しいやつだな……っくしゅ……ふっ」
「あ!今笑った!?こっちは殺されそうで必死なのに!?」
「…ふん、お前が変な技ばかりするからだ」
花粉まみれのサスケ君はパタパタと手で花粉を落とした
(サスケ君…きっと根っこは変わっていない…)
「楓、お前はやっぱり変わっていないな。そういう甘い所がいつも命取りなんだ。俺をそこまで信じる理由はなんだ?」
「…仲間だから。今でも私にとってサスケ君は仲間だから。
……サスケ君は…国際指名手配になったの。
八尾を襲ったことも、暁に入ったことも聞いた。
でも、理由なくそんなことすると思ってない。今日はちゃんと聞いて説得しようと思ってきたの。
話してくれるまでずっと花粉まみれにするからね。」
「お前にはずっとわからない。俺の憎しみも、起きている悲劇も」
「私にとってはこうやって貴方と戦わなきゃいけないこと自体が悲劇なんだけど」
「そろそろ終わらせる時が来たな。下手な情は自分を弱くするだけだ。
俺は俺の復讐のために動く。
そこにお前は、必要ない。」
「…帰ってきてくれないの……?」
サスケ君はゆっくりと目を閉じ、そして先ほどよりも鋭い目つきで私を睨んだ