第16章 憎しみの渦
「サスケ君にとって、私たちはどんな存在だったの?私は…私はサスケ君のこと、今でも仲間だと思ってる。今日は私絶対貴方のこと説得しないといけないの。どうか、どうか話を聞いて…」
サスケ君は何も言わず腰につけていた刀を抜く
「…何を言ってももう、ダメなの…?」
「初めからお前と話すつもりはなかった」
ジリジリと近づくサスケ君に対して、なるべく平常心を保ちながら後退りたい足をなんとか地につけたまま彼の瞳をまっすぐ見つめる
「お前は写輪眼の基礎も知らないのか?つくづく呑気なやつだな。
だが安心しろ、お前如きにこの目を使うつもりも…ーーーない…!」
サスケ君はブンッという風を切る大きな音と共に刀を思い切り振る
即座に交わし戦闘態勢の姿勢をとる
「もう、話は聞いてくれないんだね。
わかった、私は聞いてくれるまでサスケ君の憎しみ、受け入れるよ。
全部出し切ったら私の話を聞いてほしい。
…それと写輪眼、使わないのね?
ハンデありがとう。約束は絶対だよ?」
にこりと笑ってポシェットの中の種を掴む
「お前一人殺すのに使う必要もないからだ。容赦はしない。殺してやる」
その言葉を聞くと同時に走りサスケ君との間合いをとる
(……やっぱり速い…っ!)
「草遁、草花再生!」
蔦を生やし彼の足をめがけて伸ばし足を掴む
(今…っ!)
「黙殺縛り…!」
サスケ君を潰さない力で押さえ込む
「こんなので俺を殺せると?」
「殺すつもりなんて一切ない!話をしに来ただけだもん!」
一瞬で変わり身を使ったサスケ君は私の真後ろに移動していた