第4章 兄
ガチャ、とドアが開くとなんだか懐かしい香りがした。
「カカシ先生の部屋の匂いだ〜!ただいま〜!!」
「なにいってるんだか、おかえりなさい。」
ケラケラ笑いながらおかえりと言ってくれるカカシ先生。
だが部屋の中は以前よりなんだか寂しい雰囲気になっていた。
(殺風景…というよりは、なんだろう、この感じ…)
決して散らかってるわけではないが、窓辺の植物が枯れてしまっていたり、
壁にかかった時計は針が止まったまま少し埃がたまっている
「先生、茄子のお味噌汁好きだよね!私作るから、座っててよ!」
どこからともなく漂う悲しい空気を飛ばすように明るく声を出した