第4章 兄
(明日から、しばらく皆に会えないのか…)
ふと、カカシ先生のことを思い出す。
ナルト君も修行でいなかったこともあり、ここ2〜3年、カカシ先生とたくさん話すことはなかった。
会いたいのに、急に行って拒絶されるのが怖い。
前みたいに笑えるのかもわからない。
(いっつも、カカシ先生ばっかり。私ってば…)
「ほれ、お嬢ちゃん!ナス安売りだよ〜!」
ぼーっと歩いていると八百屋のおじさんが話しかけてくる。
(先生、茄子の味噌汁好きだったっけ。)
茄子を言い訳に、先生に会いに行こうと決めた。
なんだかんだでおまけをつけてもらい、袋いっぱいに茄子を手に入れてしまった…
ピンポーン……
(なんだか、懐かしいチャイム音だなぁ)
しばらくしても先生は出てこなかった。
「留守、かなぁ?」
仕方がないので帰ろうとすると、
「……楓?」
驚いた顔で私を見るカカシ先生がいた
「お、お久しぶりです、カカシ先生…!」
深々とお辞儀をする
「なーに、あらたまってお辞儀なんかしてるの!久しぶり、どうしたの?何かあった?」
「あ、ううん、茄子、沢山買っちゃって。良ければと思って…」
敬語を使うのも違うかと思い、なるべく自然に話すようにする
(うぅ、久しぶりすぎてなんか恥ずかしいなぁ)
「まぁとりあえずさ、入ってよ。」
「はい、お邪魔します。」