第16章 憎しみの渦
里に戻り俺はもらった花が夕方に開くという言葉を思い出しながら
ぼーっとクチナシの蕾を見つめていた
「つーかさ、夕方っていつからが夕方なんだ?
もうおやつどきだろ〜、そろそろ夕方なのかな?」
「クゥーーン…」
呑気なことを言いながらだれている赤丸を背もたれにするよう自分は寄りかかっていた
その時だった
「なんじゃ、楓を探していたら、なんでお前から楓の匂いがするんだ!」
ちっこい犬が話しかけてくる
この犬は…
(カカシ先生の口寄せ…!?ーーーまずいっ!)
「えっ、いや楓はさっきすれ違ったけど…」
咄嗟にそう答えるも、一人前に額当てをしたその犬は眉間を寄せて睨んでくる
「な、なんだよ…」
「忍犬使いのお前がなんでそんなバレバレな嘘をつくんだ」
「う、うるせぇな、嘘なんかついてな…
そう言いかけると後ろからついてきたカカシ先生に気づく
「キバ…お前、その花…」
カカシ先生は俺の持っている花を見て何が起きているかを確信したようだった
(あー!もう!なんであいつこんなもん渡すんだよ!)
「……すんません…、どうしてもと頼まれまして…。」
「楓はどこだ?
…国際指名手配のサスケの元に楓を案内したよな?
オレのいっている意味、わかるよね?」
「……」
「それだけ教えてくれれば今回のことは黙っておく。ただし…教えてくれないのなら…」
(うぅ…見えない雷がなんだか見える気がするな…
…楓…すまん!裏切るぞ!俺は!)
「……うっす…伝えます。」