第4章 兄
「お〜い、楓?」
「あ、ごめんごめん!テンゾウお兄ちゃん。ちょっと前のこと思い出してたの!
そういえば、今日はどうしたの?」
「あ〜、あのね。そろそろ形態変化の修行を始めてもいいかなってね。それで楓を探していたんだよ」
「え!教えてくれるの!?」
コクリとテンゾウお兄ちゃんが頷く
(テンゾウお兄ちゃんはいつも忙しそうだったから頼めなかったんだよね、まさか教えてもらえるなんて…!)
「少しね、試してみたいことがあるんだよ。ただ、集中して頑張らなきゃだから、多分僕と一ヶ月間前後どこかにこもって頑張ることになると思う。耐えられるかな?」
「そんな、耐えるも何も本当に嬉しい!テンゾウお兄ちゃん、忙しいのに、いいの?」
ははっと笑って、あったかい手が頭に乗っかる。
「ここまで頑張ってきたんだから。いいんだよ。」
テンゾウお兄ちゃんがくしゃっと私の頭を撫でる
(何だろう、すごく久々な感覚…)
カカシ先生を思い出す。
昔はよく頭を撫でてくれてたっけ。
テンゾウお兄ちゃんの手はカカシ先生より少しあったかくて、大きかった。
「頑張ろうね。」
「はいっ!!!!!!」
テンゾウお兄ちゃんと話し合って早速明日から修行を始める約束を交わし、別れた。