第16章 憎しみの渦
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『どうしたの…先生、泣かないで…』
『…なぁ、楓は、オレを選んでくれたってこと……?』
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懐かしい思い出が甦る
(あぁ、そういえばあの時、楓に呪印が刻まれている夢を見たんだったな…)
「そんな昔のこと、よく覚えてるね。
それでオレはうなされて、
大好きだっていってくれた楓に対してオレも好きだって言ってしまって…
…ははっ、咄嗟に生徒としてって誤魔化したんだったな…」
「…もう。先生はずーっとそうやって誤魔化してきてたよ?私ずっと信じちゃってたんだから。…あのさ、今は…
そう言いかける彼女を優しく抱きしめ返しながら、今度は素直に言葉を発する
「うん。大好きだ。」
もう訂正はしなくていいんだ
オレの言葉を聞いて楓が自分に回した手に力を込めたのが伝わる
「カカシ先生、あのさ…
ずーっと私を振り回したお詫びとして一つだけお願い聞いてくれる?」
抱きしめていた手を離し彼女は真剣な顔でオレを見つめた
「…困ったな、弱味握られちゃったみたいだ。どうすればいい?」
「その…あのね…」
真剣な顔をしたと思ったら楓は頬を赤く染めてもじもじとしだす。
(…ほんと、可愛いな)