第16章 憎しみの渦
「それで、楓はどうしてそんなに殴られたんだ?さっきサイとすれ違ってな、ダンゾウのことを少し聞こうと思ったんだが…楓の事も聞いてな。
いてもたってもいられなくてこっちにきたんだ」
「あぁ、これね…オレもサイから聞いただけなんだけど、雲隠れの忍にやられたらしい。サスケの事を聞かれて一切こいつは口割らなかったらしくてさ…
そもそも楓が知ってることもそんな多くないだろうにな、十中八九、サスケへの恨みとかを少しでも軽くしてやりたかったんだろうな…」
「カカシ…」
ガイは何か言いたげな顔でオレを見てくる
「あぁ、サスケは木の葉で処理しなきゃならなくなった事は聞いたよ。
………それで、楓の同期達もその方向で動きはじめるんだよな?」
「……すまない。…ダンゾウが火影代理になってから、すぐに命令が出たんだ。
…国際手配となったら俺たちも何もできなくて、な…。」
ガイは苦虫を噛んだような顔をしながら途切れ途切れでそう話した。
「お前が謝ることじゃないよ。楓が起きたらオレからしっかり話す。
忙しい中お見舞いありがとうな。
…あと、これはお願いなんだけどさ、できれば同期の奴らがサスケを殺しに行く事を、あいつには…ナルトには可能な限り、ギリギリまで伏せてくれないか?どうなることかわからないからさ。」
ガイは黙って顔を縦に振ると、オレの肩に手を乗せてからまたな、とだけ言って病室を去った。