第16章 憎しみの渦
「こんなわがまま、聞いてもらえるとは思わないけど
どうかサスケ君を殺さないで…
サスケ君も同じく、憎しみで動いてしまってる。
それを止められるのは憎しみじゃないと思うの…」
「はぁ!?ビー様が死んでるかもしれねぇのになんで見ず知らずのお前の言うこと聞かなきゃなんねぇんだよ!そもそもそしたら、アタシのこの憎しみはどこにぶつけたらいいんだよ」
「…私が受け止める。
気が済むまで、私がそれを受け止めるから…」
私は立ち上がってもう一度頭を下げようとするとまた殴られた
「ごめんね、ごめんなさい…」
「謝る気があるなら!」
また殴られる
「わかってる事を話せって!」
殴られる
「言ってんだろう!!!!」
(ここでサスケ君のことを売るなんてできない。それに私が今ナルト君達にできることは、ここで少しでも彼女の持っているサスケ君への憎しみを軽くすることだけだ…)
そうやって何回も何十回も殴られ続け、
私はだんだん意識が朦朧としてきた
「なぁ、流石に、そいつはうちはサスケじゃねぇし…もういいんじゃないか?カルイ…」
「はぁ!?オモイ、こいつはサスケの仲間だって言ってただろ!?
つーことはアタシ達の敵なんだよ!!!」
もう一度女の人が手をあげる
(殴られる…っ)
思い切り目を瞑りまたくる痛みに耐えようとする
「…えっ?」
殴られなかった
「もういい加減にしてくれないか?楓を殴っても何も解決しないよ」
(あぁ、この声は…)
「…サイ……」
ここで私の意識は途切れた