第15章 愛のその先に
(愛…か。)
ふと彼女を思い出す。
なぁ、楓ちゃん。
楓ちゃんは、カカシ先生が殺されてどんな気持ちになったんだ?
そもそも、彼女がカカシ先生が死んだところを見たのかさえオレにはわからないけど
でも、楓ちゃんだったらどうした?
きっと沢山泣いて、泣いて
でも、楓ちゃんは復讐、すんのかな。
オレが今、ペインにしようとしてることは、違うのかな。
必死に考えるのにオレの脳裏には笑顔の楓ちゃんばっかりうつされる
(やっぱ復讐なんか、しないよな。きっと沢山泣いて同じことが起きない世界を、カカシ先生の事をずっと考えて先生が目指した世界をまた目指すんだろうな)
涙が浮かんで視界が歪む
「…オレ、何やってんだろ」
「どうした?早く俺を殺さないのか?」
(…楓ちゃん。オレ…楓ちゃんの好きな木の葉の里を守りてぇよ。
オレができることは…仇を打つことじゃ、ないのかもしれない。オレの正義を、どうか許して欲しいってばよ)