第4章 兄
「あれ?楓ちゃん!?久しぶりだってばよ!!」
はやくも3年が経ち、私は16歳になっていた。
「ナルト君!!!帰ってきてたんだ、また伸びた?」
頭の上で手を伸ばす素振りをする
「ははっ、そりゃあ少しはな!楓ちゃんは変わってないなぁ、なんなら縮んだ?」
「そんなわけないでしょ!ナルト君が伸びすぎなの!」
あははっと声を出してニカッと笑う。
ナルト君は相変わらず、太陽みたいな人だなぁ。
思わず見つめていると、透き通った青い瞳と目が合った。
「…んー、いや、楓ちゃんも、変わったな…」
じっとこちらを覗くその目はまっすぐで、思わず目が離せなくなる。
「え…?そ、そう??どこが変わった?」
成長…できたのかな…??
「うーーーん……」
ナルト君の目線がゆっくりと下に下がる……
胸元の位置に目線が止まった時、ポツリとナルト君がつぶやく。
「……大きくなったな。」
…は………???
と思ったその時
「シャァァアーーーーーンナロォオオオオオオー!!!!!!!!!!」
「!?!?!?」
ドカーーーーーン!!と絵に描いたような砂埃と衝撃…
敵の襲来…ではなく……
この人は…
「サ、サクラちゃん!?!????」
サクラちゃんがナルト君をぶん殴っていた。
「ナルトぉおおおー!帰ってくるなり何楓ちゃんにセクハラ発言してんのよ!!!!!謝りなさい!!!!」
(凄いなぁ、いつの間にか、サクラちゃんもこんな強くなってて…)
素直に尊敬していた。
「痛ってぇえぇ…ってばよぉぉぉ…」
「……ぷっ、あはははっ、もう、2人とも…面白すぎ、ふふっ」
何となく、このやり取りが懐かしくって、
サスケ君がいたら、なんて言うんだろう?
なんて考えていた。
黙って裏でフッ…って笑うんだろうなぁ。