第13章 祝福の花びら
(おまけ)カカシside
数日前、オレはいつものようにオビトの墓石の前にしゃがみながら、自分は呆然と刻み込まれたうちはオビトの文字を眺めながら、ひとつため息をついた
ここ最近、楓とサイの関係が気になったり
小さな事で悩んではため息をついて、
何も動けない自分に嫌気がさしていた。
そんな何も変わらない自分の裏腹に楓の周りには沢山楓を大切に思う仲間が増えているのを感じ
以前の楓を守れるのはオレだけだと考えていた自分があまりにも滑稽でまたもう一つ、ため息が漏れる。
ただ、イタチを探すために任務に出た時、彼女が草の壁を目の前に作ってから…
そして花びらが舞う中笑顔でこちらを見つめた楓を見てから、
自分の心は確実に動き始めていた。
もう、自分の気持ちに嘘をつき続けるのは限界なのだと痛感する。
自分が前に進むためには…
「なぁ、オビト。オレはお前にちゃんと伝えないといけない事があるよ。」
そう言って楓をオビトの元へ連れてくることに決めたのだ。
そして今日、オビトの前にオレがいて、楓がいる。
(腹を括らないとな)
ふと自分の手を見ると震えているのがわかる。
(いろんな戦場を生き残ってきたオレが…ほんと、だらしないったらありゃしないね…)
「この墓は、オレの親友の墓なんだ」
オレは過去と向き合って前に進む事を決めた。