第13章 祝福の花びら
「えっ…?」
「どうでもなんか、よくないに決まってるでしょ」
カカシ先生は前を向いてもう一度そう繰り返す
いつの間に顔を出していた月の光に照らされながら
先生の髪がさらさらと風に靡く
「良かったよ。ありがとう。
オレは先生として本当にダメだからさ。
正直楓に嫌われたんじゃないかとか考えていたし
…先生、ちゃんと傷ついてたし、ね?」
先ほどまで真面目な顔をしていたカカシ先生が
いつものへらへらとした笑顔でこちら向き
あーよかったよかった。
と重ねて呟いていた。
「楓は覚えてるかな、マンホールの猫を見つけた帰り道、沢山泣いていたの」
「えっ、なんで突然…!覚えてるけど…
もう…カカシ先生まで私が泣き虫っていいたいの?」
頬を少し膨らませると
違う違うと先生は笑って続けた
「第九班が、楓以外亡くなった後
楓は沢山泣いて向き合って、
今、楓の周りにはたくさんの仲間がいる。
少し修行離れてたオレだってすぐにわかる。
サイは勿論、楓の存在がなきゃ第七班は今の形になってないと思う。
真面目にオレが言った言葉も今も向き合ってずっと考えてくれていたわけでしょ?」
話の意図が分からず、うん…?と生返事をする
「つまり、楓は凄いってこと。
それでもって、楓が第七班の皆んなを大切に思うのと同じで
オレもあいつらも、楓が大切だって伝えたかった。」
少しだけ切ない顔をして先生は
もう少しだけ話せる?と言い、私たちは近くのベンチに座ることにした